この度、第2回の日本Advanced Heart & Vascular Surgery / OPCAB研究会の学術集会をお世話させていただくこととなりました。今回は日本OFF-PUMP CABG研究会からの伝統であったライブ手術は行いませんが、本研究会の目的である先進心臓血管外科手術の進歩、成績向上に寄与すべく、プログラムを作成し、それぞれの分野において明日を見つめる先生方にご講演をお願いいたしました。
 心臓血管外科の手術手技はここ数年、小肋間開胸手術によるMICS手術が脚光をあび、また、大動脈瘤の治療においてはステントグラフト治療が急速に広まり、適応も拡大するなど、大きな変革の時期を迎えています。長い間待望であった植込型補助人工心臓もいよいよ臨床での保険診療使用が開始されました。かつで、本研究会の前進であったOFF-PUMP CABG研究会は、本邦におけるOPCAB手術の普及、水準の向上に大きく寄与し、そして10数年を経た現在、OPCAB手術は多くの施設において安全に施行される標準手術となりました。今回の研究会はやや欲張った盛りだくさんの内容になってしまいましたが、今発展途上の治療手技が、今後、質の高い標準的治療になるよう、皆で考え学ぶ場にできればと考えております。
 特にMICSのセッションではいずれも先端で活躍される5名の心臓外科医に加え、麻酔科医、臨床工学技士にも参加していただき、午前中はMICS三昧といたしました。MICSのみならず、現在の心臓血管外科手技はチームでの研鑽が不可欠です。ぜひ、心臓外科医以外の方々にもご参加いただければと存じます。
 今回は冠動脈外科学会の翌日、また3連休の初日ではありますが、ぜひ、多くの先生方に夏の信州においでいただきたく、ご参加をお願い申し上げます。