この度、第17回Advanced Heart & Vascular Surgery/OPCAB研究会をお世話させて頂くこととなりました。アカデミック学術集会としては、昨年の第15回に続いて2回目ということになります。本研究会はライブ映像による手術技術の向上という斬新な発想の下に設立され、オフポンプバイパスの普及と発展に多大なる貢献をしてきました。現在は心臓血管外科全体を視野に入れてcutting edge の技術を議論する新しい会へと生まれ変わりつつあります。
今回のテーマは「原点回帰」とさせていただきました。ステントグラフトやカテーテル弁置換術などの低侵襲手術がどんどん進化する今日、従来型の手術はその精度と安全性を高める必要性に迫られています。また緊急のレスキューが必要な症例など、より困難な場面に遭遇する機会は今後ますます増えると思われます。そうした中で、外科医の原点である基本手技を見つめ直す作業はきわめて大事と考えた次第です。場所も日本の原点ともいえる新装なった東京駅の真ん前ですので、みなさんふるって参加していただきたいと思います。
プログラムは、まず高本眞一先生に心臓血管外科の現況について基調講演をしていただきます。各領域のシンポジウムではエキスパートの先生方に、とくに基本手技の精度と安全性を上げる工夫についてご発表をお願い致しました。渡辺剛先生にはロボット手術の展望についてご講演いただく予定となっております。いずれも手術のビデオを用いたビジュアル中心のご発表になると思いますので、どうか活発なご討議をお願いいたします。
前回好評だったランチョンでの世代間トークを今回も実施させていただきます。今回のテーマは「心臓血管外科医の将来像」とし、幕内晴朗先生、小坂眞一先生の司会の下に、若手心臓外科医の会の先生方も交えて、学会では聞けないような忌憚のないご意見をお聞きしたいと思います。
最後に、今回本研究会は日本冠疾患学会とは独立して開催させていただくことになりました。東京開催の方が多忙な若手医師が参加しやすいのではないかと考え、幹事の皆様の了解が得られたためですが、結果として第27回日本冠疾患学会外科系会長の岡村吉隆先生には多大なご迷惑をおかけすることになってしまい、誠に申し訳なく思っています。ご多忙の先生方にはご迷惑をおかけしますが、翌週和歌山で開催されます第27回日本冠疾患学会にも併せてご参加頂けますよう心よりお願い申し上げます。
今回のAHVS/OPCAB研究会が、世代を超えて多くの心臓血管外科医の先生方にとって実り多い研究会となるように誠心誠意尽力させて戴きたいと存じます。
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